三方湖産の天然うなぎについて

5月のゴールデンウィークが過ぎ三方湖の水温が上がってくると天然うなぎが活動をはじめます。すると地元の漁師さんたちは、「待っていました!」とばかりに延縄や筒を使って天然うなぎを取ります。天然うなぎは夜に活動する(エサを食べる)習性がありますので前日に仕掛けて翌朝に回収するという漁業法が多いです。

 

徳右ェ門ではとれたての天然うなぎを買い付けてから泥吐きのため1週間ほど水の中で泳がせます。天然うなぎの皮から泥のニオイを感じることはほぼありませんが、割くときにニオイが気になることがこれまでもありましたので最低でも1週間ほどは泳がせます。天然うなぎを泳がせている水槽の水の濁りは酷かったりそうでもなかったりしますが、水がきれいな状態になるまでかかるのが1週間ほどです。

 

そして、三方湖産の天然うなぎが徳右ェ門で食べることが可能な期間ですが、

 

5月~11月(毎年変わります)

 

天然うなぎを食べることができる時期というは毎年変わります。そして取れる量も上下しますので上記の期間中に来ていただいてもないことの方が多いでしょう。天然うなぎがあれば本当にラッキー(あなたは運が強い)です。ですから天然うなぎを目的で来られるお客さんには電話で確認していただくようお願いしております。店頭でも天然うなぎのあるなしを提示させていただいていますが、確実に食べたいという方は電話で確認してください。(TEL:0770-45-0039)

 

それでは三方湖で実際にやっている天然うなぎをとる方法について紹介します。

 

 

延縄(はえなわ)とは

延縄というのは漁師さんたちが使う道具の1つで、1本の糸にたくさんの釣糸をぶら下げた先に釣針とエサがついています。元になる1本の糸の長さは漁師さんによって違いますが、長い糸では200mを超える糸もあるようです。延縄漁法は湖に仕掛けて数時間後から翌朝に回収することが多いです。うなぎが夜行性ということを利用するならば、翌朝に糸を回収するのがベストタイミングでしょう。うなぎはとても鼻が利くので暗い湖の中でも簡単にエサを見つけることができますし、夜に活動する魚も少ないことからうなぎにとって夜はもっとも良いタイミングです。

 

延縄でとれる天然うなぎはサイズも大きいものが多く、三方湖の主(ぬし)と呼ばれている(私が勝手にそう呼んでいるだけですが 笑)ほど大きいサイズの天然うなぎもよくとれます。普通の養殖うなぎの2倍3倍は当たり前です。ですから天然うなぎを割くときの抵抗力はものすごく、目打ち(うなぎを割くときに頬に刺してうなぎをまな板に固定する料理道具)で固定しても目打ちがまな板から抜けて跳ね返されることが多いです。うなぎの力というのは天然うなぎと養殖うなぎでは比べ物になりません。養殖うなぎよりも小さく細い天然うなぎでもパワーは養殖うなぎの数段上です。

 

 

筒漁(つつりょう)とは

筒漁は竹筒(最近では塩ビ管もあります)を湖に沈めてうなぎの疑似棲家を作ってとる漁業法です。最初の時点で筒代が必要になりますが、延縄のように漁へ行くたびにエサ代がかかることはありません。しかし、リーズナブルでお金がかからない半面、延縄と比べると漁獲量が少ないです。

 

そしてお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、筒漁も天然うなぎの習性を利用した漁業法です。天然うなぎがいるのは自然の湖の中ですから敵が存在します。その敵から身を守るために自分の体のサイズに合った安全な場所があれば身を潜めて住み着いてしまいます。うなぎの体と似た長くて細い場所に入ってしまうのは当然のことかもしれませんね。

 

湖に沈めてある筒は片方が閉じた状態になっています。空いている方の筒先をたも網で覆って閉じてある側の筒先を上げます。そうするとたも網にうなぎが入り筒漁が成功するというわけです。筒漁のメリットはうなぎの体が傷つかないことです。デメリットは筒の切り口よりも太いうなぎはとれないということです。大きなうなぎは美味しくないと言われる方もいらっしゃいますが、それは正解ではありません。美味しい天然うなぎは体の大きさ関係なくまちがいなく美味しいですから。

 

 

天然うなぎは本当に美味しいの?養殖うなぎと何が違う?

天然うなぎの美味しさについて聞いてみるとハッキリ分かれてしまいますが、あなたはどのようなイメージをお持ちでしょうか。天然うなぎだから絶対美味いに決まっている!という方もいらっしゃれば、天然うなぎよりも養殖うなぎの方がサイズも安定しているから美味しいに決まっている!という方もいらっしゃいます。

 

徳右ェ門で天然うなぎと養殖うなぎの両方を焼いている私から言うと、「どっちもあり得る」ということになります。どういうことかというと、天然うなぎには養殖うなぎよりも美味しいものがある反面、養殖うなぎの方が美味しいと感じる天然うなぎもあるということです。それなら天然うなぎは美味しくないの?というとそうでもありません。

 

私は天然うなぎでも養殖うなぎでも全力で焼きます。一番キレイにタレがのった状態に近づけようという気持ちで焼いているわけです。ですから、見た目は良くてもうなぎそのものの味が美味しいのかそうでないのかは食べてみないと分かりません。割いているときに身が柔らかいか硬いかということはわかります。それでも食べてみないことには味はわかりません。」

 

それでも天然うなぎには養殖うなぎにないものがあります。それが自然の中でもまれた力強さです。三方湖という自然の湖の中で育った天然うなぎだけが持っている自然の味というか土の香りというか自然に関するものを全部ひっくるめたもの。これをわたしのように美味しいと感じる人もいれば土の香りが美味しさを落としているという方もいらっしゃいます。どちらが正解ということではありませんし、最初に言いましたがどちらもあり得るということです。

 

しかし、三方湖は私が育ったところにある湖です。子供の頃は釣りにも行きましたので、そこでとれた天然うなぎを食べて美味しかったと言われるとやっぱりうれしいです。今は養殖うなぎの数も減ってきている時代ですし、今まで以上に天然うなぎの価値が上がっています。年によっては少ないときもあれば多いときもあります。それでもお客さんのタイミングが合えば1度は食べてみる価値は十分にあると思っています。