うなぎの知恵袋

うなぎ、知恵袋

お客さんがお帰りになられるときに、うなぎについていろいろな質問を受けることがあります。料理についての質問から専門的なことまで、お客さんによって様々です。そんなこともあって、「うなぎの知恵袋」を作ってみました。専門的なことから一般的なことまでわかりやすくお伝えしていますので、うなぎについて知りたい方はご覧ください。

 

うなぎと日本人

うなぎといえば日本人!というくらい日本人はうなぎを食べています。私も大好きなので毎日のように食べています。最近では、韓国や中国、台湾からのお客さんも増えていますが、海外からのお客さんは1割にも満たない数。当たり前ですが、日本国内のお客さんが圧倒的に多いです。世界的に見てもうなぎをたくさん食べている国というのは、日本くらいなのでしょうね。ヨーロッパではスペインにうなぎを使った料理があります。ブツ切りにしたうなぎをトマトベースのスープで煮込んでみたり、うなぎの稚魚をオリーブ油で揚げ焼きにしてみたりと、国が違えば料理法も変わってくるんですね。日本でおなじみのうなぎ調理法というと、みなさんもご存知のかば焼きです。醤油、みりん、砂糖、酒で作ったタレにくぐらせて焼きあげたうなぎのかば焼きは、外国人もファンになるほどの美味しさです。そんな、うなぎですが、いつの頃から食べられていたのでしょうか。気になったので調べてみました。

 

うなぎの歴史

【縄文時代】
うなぎが食べられていたということが分かったのが、約5000年前。縄文遺跡の貝塚からうなぎの骨が発見されたことからわかっています。貝塚というと、今でいう「ゴミ捨て場」のことで、貝殻が主に主食としてあったのですが、そこにうなぎの骨もあったことからうなぎも食べられていたということが証明されました。私の勝手なイメージですが、1mを超えるようなものすごく大きなうなぎもいたのでしょうね。

 

【奈良時代】万葉集、うなぎ

⇒ 参考記事はこちら

うなぎは、日本最古の歌集である「万葉集」でも紹介されています。大伴家持が吉田連老という方に贈った歌の中にうなぎが登場しているので紹介します。「痩(や)す痩すも生けらばあらむを将(はた)やはた鰻(むなぎ)を漁(と)ると河に流れな」という歌。私の解釈ですが、家持は連老に”痩せていても生きていくことはできるけど、うなぎを食べて元気になりたいと思って、うなぎを獲りに川に入ってもいいが流されるなよ”とからかっているかのように思います。2つ目は、「石麻呂(いしまろ)に吾れもの申す夏痩せによしといいふものぞ鰻(むなぎ)とり食(め)せ」という歌。こちらの歌は、痩せこけた石麻呂(連老)にうなぎを食べて栄養をつけたらどうだとすすめています。先ほどはうなぎを食べたいがために川に入っては流されてしまうと言っておきながら、今度はうなぎが痩せている体に栄養を与えてくれて元気が出てくるぞ!とまで言っています。親切なのかからかっているのかわかりませんが、今の世の中では発想できない考え方ですよね。それでも、健康な体は食べ物から作られることを世に知らしめた歌だと思います。その歌にうなぎが使われていることはとてもうれしくお思います。

 

 

【応永6年 1399年】
ガマの穂、うなぎ

蒲焼きが文献に登場するのがこの頃。鈴鹿家記(応永6年 1399年ころ)に、うなぎを筒切りにしてから焼いて食べていたことが記されています。上の写真は「ガマの穂」と呼ばれる植物です。それとなくうなぎを筒切りにして焼いた形に見えますね。ガマ焼き⇒カバ焼きというふうに、ダジャレで今のかば焼きという呼び方になったとも言われています。かば焼きの呼び方についてはいろいろな諸説があると思いますが、「ガマ焼き」から「かば焼き」になったのは納得です。気になる味付けは塩、辛子酢、酢みそだったそうです。

 

【室町時代】
室町時代になると味付けがガラッと今風になってきます。醤油や酒、山椒味噌で味付けするようになってくるんですね。でも、うなぎの切り方はブツ切りにしたものが多く、今のように開いて食べるということはしていませんでした。今のようにうなぎを開いて焼いて味付けするようになったのは、18世紀ころだと言われています。それから現在までうなぎのかば焼きという形として残っています。

 

東のうなぎと西のうなぎの違い

うなぎについて少しでも知識をお持ちの方でしたらご存知でしょうが、うなぎは「東のうなぎ」と「西のうなぎ」に分けられることが多いです。それはうなぎの調理法の違いにあります。関東風と関西風と言われた方が分かりやすいかもしれませんね。それぞれの特徴や違いについて表にしましたのでご覧ください。※徳右ェ門は関東風割き方に関西風焼き方を合わせています。

 

  東のうなぎ(関東風) 西のうなぎ(関西風)
うなぎの割き方 背中から割く 腹から割く
うなぎの焼き方 素焼き⇒蒸し⇒たれ焼き 素焼き⇒たれ焼き
うなぎのたれ こってり(濃い) あっさり(甘め)

このように東と西では目で見たり食べたりするだけでも、うなぎの違いが分かります。どちらのうなぎも美味しいですし、それぞれ良いところがあります。その点をいくつか紹介しますね。関東風で割いたうなぎは焼いたときに、できるだけ身が分厚く仕上がるようになっています。関東風で焼いた場合、蒸したときにどうしてもうなぎのカサが減ります。これは、うなぎのもつ余分な脂が溶け出すことによって、うなぎの身が薄くなってしまうからです。徳右ェ門でもお試し用に一度素焼きにしたうなぎを蒸してたれ焼きしましたが、焼くのが難しかったですし食べなれていないせいか、普段のうなぎのおいしさを引き出すことができませんでした。(このことについては後でお話しします。)次に関西風うなぎは腹から割くことで身の厚さを均一にしています。焼きあがったうなぎを見た時に身が盛り上がっているようでしたら関東の割き方で、身がペタンとなっているイメージでしたら関西の割き方なんだなぁということに気づくことができます。関西はナゼ腹から割いて身の厚さを均一にするのかというと、できるだけ焼きムラができないようにするためと、うなぎのたれに関係しています。関西風で焼く場合、蒸すという作業がないので一気に焼き上げなければいけませんので、なるべく身の厚さが均一になっている必要があります。そしてうなぎのたれが甘めに作られていることが多いのは、蒸しが入る関東風のうなぎではたれがうなぎにからまないからです。なので、関東風うなぎでは濃いめのたれですし、関西風うなぎではあっさりめのたれになっています。徳右ェ門は東と西お互いの良いところを取り入れてお客さんに美味しいうなぎを提供しています。

 

 

三方湖の天然うなぎについて

天然うなぎ、三方湖産

毎年、5月ころになると「三方湖産天然うなぎ」の問い合わせが増えてきます。待っていましたというように毎年お電話をくださる方や初めて三方湖の天然うなぎを食べようと思っている方、いろいろな方から問い合わせをいただきます。しかし、昔のように天然うなぎだけでまかなっていた頃とは違い、今では数も減少傾向にあります。それでも、運とタイミングが良ければ天然うなぎを食べることは可能です。

 

天然うなぎと養殖うなぎの違い

天然うなぎと養殖うなぎの違いをご存知でしょうか?見た目で違いがわかる人、食べて違いがわかる人、あなたはどうですか?天然うなぎと養殖うなぎの違いを以下にまとめましたので興味がある方はご覧ください。

 

  天然うなぎ 養殖うなぎ
うなぎの大きさ バラつきあり(大小) バラつきなし(均一)
うなぎの頭  頭が大きい(アゴ発達)  頭は小さい
うなぎの色  背:深緑色、腹:黄色  背:灰色、腹:白色
うなぎの皮  厚い(硬め)  薄い(柔らかい)
うなぎの味  力強い  食べやすい

 

【目で見分ける】
天然うなぎと養殖うなぎの大きさは全く違います。肉付きであったり頭の大きさであったり色であったり。どの天然うなぎにも言えることなのですが、天然うなぎには自然で生きている力強さがあります。それは養殖のうなぎとは比べ物にならないくらいインパクトがあるんですね。私も毎年天然うなぎを見ていますが、見た瞬間笑みがこぼれてしまいます。何千年前からいるのですから、それはそうですよね。後はうなぎの背中と腹の色の違いが有名です。天然うなぎは水から出して太陽のしたで見ると深い緑色をしています。これは湖の色と私は勝手に思っています。養殖うなぎのような淡い色をしていませんが、天然色で自然の色をしています。天然うなぎの腹部分の色は黄色がかっているので分かりやすいです。養殖うなぎの腹部分は、ほぼ白色なのでこちらもわかりやすいです。

 

 

 

【食べて見分ける】
天然うなぎと養殖うなぎは食べて見分けることができます。ポイントは噛み応えと味ですね。天然うなぎのほうが身がしっかりしていて噛み応えがあります。これは焼いていてもわかるのですが、天然うなぎの場合、たれにつけて焼いたときにたれがのりにくく感じます。実際に目で見てもわかるのですが、養殖うなぎを焼く時よりも何回かたれにつける回数を増やしています。天然うなぎの味は土の香りがします。泥ではなくて土です。おいしい野菜が獲れる畑をイメージするとわかりやすいのですが、美味しい野菜が獲れる畑の土の香りはとてもいいわけです。このように食べ応えや強い味をもつことから、天然うなぎの味はよく肉に例えられることもあるんですね。ジューシーで食べ応えがあるということですね。このようにうなぎが生の状態でも、焼きあがったうなぎでも見分け方がありますので、天然うなぎと養殖うなぎを食べ比べるときがあるときは参考になさってください。