うなぎの新仔について

収穫する食べ物にはすべて旬がありますが、もちろんうなぎにも旬があります。それが毎年だいたい6月にあたり、そこにあわせて成長したうなぎのことを「新仔」と呼んでいます。簡単にいうと、うなぎの初物のことです。

 

この新仔の出来具合でその年のうなぎがどういったものかというのが大体わかります。1日でガラッとうなぎの質が変わりますので、私たちうなぎ職人は新仔が入ってくるのを毎年楽しみにしています。もちろんお客さんも。

 

反面、今年の新仔はどんなものなのか?美味しさは?柔らかい?と内心バタバタすることも。(笑)

 

こちらの記事ではうなぎの新仔について紹介させていただきます。いつうなぎ屋さんに行けば美味しいうなぎ(新仔)を食べることができるのかということも合わせてお伝えしたいと思います。

 

 

新仔の特徴

それではうなぎの新仔の特徴についてお伝えします。私が見たり聞いたりして感じたことなので、一般的ではないこともあるかと思いますがご了承ください。新仔うなぎというのは、シラスウナギ(うなぎの稚魚)を養殖技術で育てたのち、一番最初に大きくなって出荷されるうなぎのことを言います。新仔うなぎの特徴は次のよう。

 

1.身は太くて厚みがある

2.身が柔らかい

3.小骨があまり気にならない

4.皮が薄い

5.脂が美味しい

 

実際うなぎに触れてみて私が感じたことです。

 

まず、うなぎを触ってみると太い!身が分厚いので長いというよりも太いというイメージのほうが強烈です。

 

また、身が柔らかいということも特徴のひとつ。それで、身が柔らかいということは、お客さんにとっては嬉しいことなのですが、焼き手にとってはかなり神経を使います。(笑)焼いているとうなぎの身が皮から剥がれてくることが多いんですね。それほど柔らかいうなぎなんです。

 

そして、小骨があまり気にならないというのも特徴。だから、食べてみるとわかりますがトロ~っとするわけです。

 

うなぎの美味しさというのは脂です。その脂が美味い!若いうなぎなので脂がしつこくなく量もけっこう食べることができます。女性の方でも1匹余裕で食べられます。

 

で、この新仔についてですが今日はあるけど明日はないなんてことがよくあります。えっ?なんで?一度出回り始めたら続くのでは?と思ってしまいますよね。しかし、うなぎは養鰻業者のほうで選り分けるので、規定の重さに満たないうなぎは成長が遅いということで出荷されずに池に戻されてしまいます。そして、規定サイズになったら新仔として出荷されます。なので、今日はあるけど明日はないなんてことが起きるわけです。

 

確実に新仔を食べたいのでしたら、電話で問い合わせてみたりホームページをご覧いただくとわかると思います。

 

 

新仔が出回り始める時期

新仔が出回る時期というのは毎年バラバラです。ここ数年を見てみると数ヶ月ズレるということも珍しくありません。

 

これまでの新仔が出回り始める時期を調べてみますと5月の連休明けすぐのときもあれば、6月の最初のほうであったり6月の末だったりします。

 

平成30年(2018年)はとくに新仔の出回り始める時期が遅くて、8月9日と例年より2ヶ月以上も遅いなんてこともあったんです。それでも平均でみてみると6月ということになりますかね。そんなところです。

 

5月の連休明けには天然うなぎがとれ始めるタイミングでもありますので、うまくいけば”三方湖産の天然うなぎ”と”養殖の新仔”の両方を食べることができるかもしれません。これはかなり贅沢ですので、タイミングを見て狙ってみるのもいいかもしれません。というか、ぜひどちらも食べていただきたいと思います。

 

 

新仔の価格

新仔の価格について少し触れたいと思います。ここ最近はうなぎの稚魚が減ってきていて、とれにくくなっているなんていうことをメディアをとおしてご存知の方もいらっしゃると思いますので、少しですがお話します。

 

まず、新仔が出回るまでに私達うなぎ屋は前年度育ったうなぎを扱っているのですが、漁が解禁されるのは毎年12月のあたまくらい。そして漁の期間というのがだいたい3ヶ月ほどなのですが、不漁の年には期間延長ということもあります。

 

そうなると新仔の出回り時のときに価格がドーンと上がるのでは?とヒヤヒヤします、と世間さんは言いますよね。

 

しかし、実際はちょっと違うんです。

 

まず私達は養鰻業者さんから活きたうなぎを買うわけですが、稚魚のとれぐあいで新仔の価格はある程度予測がつきます。この時点(早ければ新年早々)で養鰻業者さんとうなぎ屋の間でその年の新仔価格がどうなるのか?というおおよそのことがわかっているというわけ。

 

また、前年度の漁獲量が多かった場合、新年度の漁獲量が少なくなってしまっても急激に価格が上がることはないというわけです。養鰻業者さんによって違うかもしれませんが、このような感じです。なので、新仔が出回る時期にうなぎの価格が跳ね上がるというケースはほとんどないというのが本当のところですね。

 

 

まとめ

うなぎの新仔について私の知っていることをお伝えさせていただきました。一般の方のなかには新仔についてご存知でない方が多いと思いましたのでお話させていただきました。

 

それと同時に鰻屋さんへ行くとき、ひとつの知識として知っておくと食べに行くのが楽しくなるということも含めて。食事に行くときは、それについての知識をもっておくとお店や食材の見方も変わりますし、非常におもしろい。

 

私も食べることが好きなのですが、下調べはしていく方です。そして、時間があればお店の方との会話も楽しむ。そんなふうにするとまた行きたくなりますしいろいろな情報も手に入りますしね!

 

この記事を読んでくださっている方にも楽しく食事をしていただきたいと思いお伝えさせていただきました。